平成16年7月16日(金)に、国の文化審議会文化財分科会において、“久米島紬”を「国の重要無形文化財」として指定し、その保持団体として「久米島紬保持団体」が認定されました。
今回の指定及び認定により、沖縄県における国指定重要無形文化財の指定件数は7件、保持団体の認定件数は3件目となりました。
久米島紬は、沖縄県の久米島に伝承されている絹織物です。久米島では15世紀頃にはすでに養蚕がおこなわれていたとみなされ、17世紀に琉球王府への貢納布に定められて以来、御絵図に代表される絣のほか、縞、格子などの織物の製作技術が高度に発揮しました。
現在の久米島紬の制作技術は、王府時代以来の伝統を保ち、養蚕、糸づくり、糸くくり絣、天然染料による染色、手織り等、手作業による古来の技法です。
なかでも原材料と染色に大きな特色があり、すべて天然の材料が使用されており、かつ、そのほとんどが島内産です。養蚕及び桑の栽培は一時中断していましたが、近年再び行われ、技術の伝承が図られるようになりました。久米島紬は、芸術価値が高く、工芸市場重要な地位を占め、かつ、地方的特色が顕著な染色物でもあり、平成16年9月、重要無形文化財に指定されました。
【保持団体】
団体の名称:久米島紬保持団体
代表者氏名 :桃原禎子
事務所の所在地 :久米島町字真謝1878-1 ユイマール館内
【保持団体の概要】
久米島紬保持団体は、久米島紬の技の保存と伝承者の養成を図ることを目的として設立された団体であり、昭和52年10月「久米島紬」の技術が沖縄県指定無形文化財に指定されたのに伴い、その保持団体として認定され現在に至る。
現在の構成員は、伝統的な久米島紬の制作に優れた技術を有する16名の技術者である。久米島紬保持団体は、伝承者育成事業(沖縄県補助事業)を毎年実施してきたほか、技術記録の作成等の事業を実施し、技術の保存・伝承に尽力している。
さらに、平成10~12年には旧仲里村の企画による、工芸技術記録映画「久米島紬」の制作に協力するなど、技術の公開、普及にも努めている。